東京に引き続き、函館の記録です。まずは函館滞在中に行ってきた「北海道立函館美術館」の「新・山本二三展(2023/4/29〜6/25)」の記録を。正確なタイトルは「アニメーション美術の創造者 新・山本二三展 天空の城ラピュタ、火垂るの墓、もののけ姫、時をかける少女」。長いです。

山本二三は、アニメーション界を代表する美術監督・背景画家。タイトルに入っているスタジオジブリの作品で美術監督をされていますが、その前にTVアニメ「未来少年コナン」の美術監督(若干24歳で抜擢)をされたり、宮崎駿監督「ルパン三世 カリオストロの城」の背景も描かれています。ジブリ作品だけでなく、「時をかける少女」の細田守監督には「天空の城ラピュタのあの雲を表現してほしい」という要望で美術監督をされあの夏の雲を描かれたそうですし、新海誠監督の「天気の子」でも気象神社絵画・天井画を描かれています。迫力ある独特の雲は「二三雲」と呼ばれているとか。

展示は下記の5章に分けられています。
完成した背景画だけではなく、未公開の美術設定やイメージボード、制作用具等の展示も。
また会場撮影はNG。変わりにと言ってはなんですが図録を買ってきました(タイトルバックは図録の表紙のアップ)。

1章 冒険の舞台(ラピュタ、コナンなどの背景)
2章 そこにある暮らし(じゃりン子チエ、火垂るの墓、時をかける少女などの背景)
3章 雲の記憶(カリオストロの城、時をかける少女、天気の子などの雲や空)
4章 森の命(もののけ姫などの森、背景)
5章 忘れがたき故郷(五島百景)
山本二三氏の故郷は長崎県の五島。5章は故郷の五島列島を描くライフワーク「五島百景」からの展示でした。
(2018年に故郷の五島市に「山本二三美術館」がオープンしたそうです)

私個人の絵画の好みとして写実的なものはうまいな〜とは思いますが、好きかというとそうでもないというか、そんなに興味が無いんですよね…。ただ、なんでしょう。アニメの背景となると急にワクワクしちゃうのは。アニメ自体の世界観もあるでしょうがリアルだけじゃなく幻想的でもある背景の原画を観られるのは幸せなことでした。

そうそう、最近、テレビで「もののけ姫」をやっていたのでつい見てしまいましたが(何度目だ)、あのシシ神の森は神秘的ですごいですよね。私、モデルとされた屋久島に行ったことがありますが、映画、背景画の方が神秘的です(あ、いや、現地の良さは別のところにあるんですが)。

図録のフィルモグラフィーには1969年の「サザエさん」から始まって2019年の「天気の子」まで、作品名が2ページにわたってびっしり並んでいました。「未来少年コナン」「ルパン三世 カリオストロの城」、各ジブリ作品、「時をかける少女」「天気の子」もですが、表には子供の頃に見てた〜と言う作品がたくさん並んでいて、おお〜ってなりました。

新・山本二三展
左:函館美術館
中:図録表紙
右:図録「森の命」の章から

元々、函館でも美術館に行きたいなと思っていたのですがタイミングよくおもしろい展示をやっていてよかったです。
次はいわゆる函館観光の記録です(函館もレトロ建築多め)。