ようやく梅雨明けした福岡。梅雨明け宣言が出た日に結構、雨に降られましたけど。
そして遅れ遅れのMURMUR。1ヶ月以上経ってしまいましたが、先月、行ってきた東京経由函館の旅の記録、第一弾です。
東京都美術館で開催中の「マティス展(2023/4/27〜8/20)」に行ってきました。
初期の絵画から彫刻、ドローイング、版画、切り紙絵、そして晩年のマティス自身が生涯の集大成とした南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂に関する資料までの展示です。展示は下記の8章に分けられていて、若い頃から晩年の作品までほぼ年代順に観ていく形です。
1章 フォーヴィスムに向かって(1895–1909)
2章 ラディカルな探求の時代(1914–1918)
3章 並行する探求─彫刻と絵画(1913–1930)
4章 人物画と室内画(1918–1929)
5章 広がりと実験(1930–1937)
6章 ニースからヴァンスへ(1938–1948)
7章 切り紙絵と最晩年の作品(1931-1954)
8章 ヴァンス・ロザリオ礼拝堂(1948–1951)
(写真はほぼOKだったんですが、8章は全てNGでした)
私自身がマティス作品を好きになったのは学生の頃だったかな、忘れちゃいましたが、とにかく絵画と言うよりグラフィック作品として晩年の切り紙絵作品だったので、あらためて初期作品から時の流れに沿って観ていくと、点描画の「豪奢、静寂、逸楽」とか、こんなの描いてたんだという発見や試行錯誤された足跡が感じられたりでとても見応えがありました。私個人的には緻密とは言えない、ざっくり描いたように見える絵ほど好きみたいです。
ちなみにタイトルバックの絵は「黄色と青の室内(1946)」の一部。これも好きな作品ですが色的にこれしかないと言うことで。
今回の展示、パリのポンピドゥー・センターから約150点の作品が来ていますが、実はポンピドゥー・センターと、今回の最後の章に展示があった南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂に行ったことがあります。両方とももう30年程前の話ですが。ポンピドゥー・センターは特にマティスが目的というわけでなく、ルーヴルやオルセーなどいろんな美術館を回った一貫で行ったのですが、ロザリオ礼拝堂にはどうしても行ってみたくてニース滞在中に確かバスでヴァンスに移動したんだったと思います。あの頃、デジカメやスマホがあればバシバシ撮ってきたんでしょうけど、そんなのない時代ですし(コンパクトなフィルムカメラは持っていきました)、そもそも現地でもロザリオ礼拝堂は撮影NGだったので、写真という目に見える記録に残せてなかったのもあって記憶の奥の方に隠れていたんですよね。それが今回の展示を観てブワッと当時の記憶がよみがえりました。…礼拝堂と言うとゴシック建築で荘厳な感じをイメージしがちですが、ロザリオ礼拝堂は、全体的には白い空間で、ポイント色のように使われた青、黄、緑のステンドグラスを通した光が美しいだけでなく可愛いというかポップな感じもあり、集まる人達が明るく和やかに過ごせそうな印象でした。
そうそう、マティス展が開催されている東京都美術館ですが、設計が福岡市美術館と同じ前川國男で、かまぼこ天井とか、レンガ色の打ち込みタイルとか、本当によく似ているんです。東京都美術館は1975年の竣工で、福岡市美術館の竣工は4年後の1979年なので、福岡市美術館の方はもうだいぶこなれた感じで作られたのかしらなんて想像しつつ(その間に1976年竣工の熊本県立美術館、弘前市立博物館、1978年竣工の山梨県立美術館も竣工しています)建物も楽しんできました。
はい、今回の東京、函館旅ではたくさんのレトロ建築、名建築を見学してきました。既にインスタのレトロ建築アカウントでは山ほどポストしてますが、こちらでも東京、函館の記録をいくつかに分けて投稿予定です。
(函館でも美術館に行ったんですが、撮影NGだったのでどう記録を残そうか思案中です)
お仕事もちょっと焦ってるのがあるので当然ながらそちら優先ですが、記憶が残ってるうちにぼちぼちやります。