先月のことなのでちょっと時間があいてしまいましたが、佐賀と熊本、お隣の県の美術館でおもしろそうな展示があったので、それぞれちょこっと足をのばして行ってきました。
(ついでに近辺のレトロ建築も見てきたのですが、そちらはインスタのレトロ建築アカウントの方に)

見てきたのは以下の2つ。

佐賀県立美術館
ジパング―平成を駆け抜けた現代アーティストたち―(2024/8/24~10/20)
平成に生まれた日本の現代アートをクロニクル的に捉えた展覧会とのことで、日本のトップアーティストの作品が並ぶキラキラな展示でした。
奈良美智さんの作品以外は撮影OK。ありがたいことです。

今までに何度も見る機会があった草間彌生さん、村上隆さん、奈良美智さん、塩田千春さん、チームラボなどの作品はもちろん、会田誠さんってあんな作品じゃなくてこんな作品も描いてたのかとか、池田学さんの絵が緻密すぎて驚いたり、たまに連載「ニューヨークで考え中」を読んでる近藤聡乃さんのアニメーションを見てうれしくなったり、今まで知らなかった個性的で強烈な作品達を一度に見られる素敵な展示でした。
1つのテーマや一人のアーティストに絞った深掘りする展示もいいですが、たまにはこんな展示もいいですね。

※タイトルの背景は岩崎貴宏さんの作品「リフレクション・モデル(羅生門エフェクト)」

ジパング―平成を駆け抜けた現代アーティストたち―
左上:ジパング展 看板
中上:会田誠「灰色の山」
右上:草間彌生「太陽は旅に出たい」「南瓜」
左下:近藤聡乃「KiyaKiya」
中下:村上隆「黄色い麦藁帽子の女の子」
右下:宮島達男「Warp Time With Warp Self No.2」

熊本市現代美術館
ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家(2024/7/13~9/23)
ガラス作家の山野アンダーソン陽子さんの作品を本にしたらというグラフィックデザイナーである須山悠里さん提案から始まった「Glass Tableware in Still Life(静物画の中のガラス食器)」というプロジェクト。山野さんが声をかけたスウェーデン、日本、ドイツを拠点とする18人の画家が描きたいガラス食器を言葉でリクエストし、そのリクエストの言葉に応じて、山野さんがガラス作品を作られたそうです。で、絵のどこかにガラスを入れた絵が描かれ、画家のアトリエに佇むガラスの器と絵画のある世界を写真家の三部正博さんが撮影し、アートブックを作られたと。

山野アンダーソン陽子さんのことは存じ上げなかったのですが、私、ガラスが好きで蚤の市に行くと古い(たまに古くないのも)ガラス瓶ばっかり撮ったり買ったりしてまして、今回、ガラス作品作りから始まり描いて撮ってと約5年もの年月をかけたというこのプロジェクトがなんだかおもしろいなぁと思い観に行ってきたわけです。

会場内の中央部にガラス作品、壁にガラスを入れた絵画と写真が展示されていて全部撮影OK。ガラス作品とガラスを描いた作品を撮影された写真をまた展示会場で撮るという構造がまたおもしろい展示になっていました。

ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家

徴古館(佐賀市)熊本県立美術館
実は建物目当てで佐賀の「徴古館」、熊本の「熊本県立美術館」にも行ってきました。

徴古館は旧佐賀藩主・侯爵鍋島家伝来の歴史資料、美術工芸品を展示する博物館で昭和2年に建てられました。いろいろ興味深い展示もあったのですが、一番のお気に入りを紹介しておきます。
「牙彫バナナ棚飾」
明治時代に作られた中川竜英による象牙彫刻+色染作品です。もう、超絶リアル!
朝香宮紀久子様と鍋島直泰様とのご結婚にあたり、婚礼調度のひとつとして鍋島家に伝わったものだそうです。

熊本県立美術館は福岡市美術館と同じ前川國男設計で昭和51年竣工です。
熊本県立美術館の天井、よかったなぁ。エントランスから続く鉄筋コンクリートの格子梁(ワッフルスラブ)でこの構造が大屋根を支えているのだそうです。

徴古館と熊本県立美術館
左:中川竜英による象牙彫刻作品「牙彫バナナ棚飾」
右:熊本県立美術館の天井

さて、10月も終わります。2024年もあと2ヶ月ですよ。2025年のカレンダーも買ってきました。
年末、年度末に向けてちょっとお仕事もたて込んできました。レトロ建築見学もしつつ、お仕事がつつがなく進められますように。がんばります。